脇役だって、恋すれば


 六月も中旬に差しかかった日曜日、私は先日結婚式を挙げた秋華の新居にお邪魔している。

 横浜の高級住宅街にあるとっても綺麗な低層マンションには、エントランスに入るだけで緊張した。部屋の中も同じく、リビングが広すぎてホテルのスイートルームにいるような感覚で落ち着かない。

 旦那様が買ってくれたという1ピース千円以上もするケーキをいただきつつ、シンプルモダンなテイストの中に秋華の好みも随所に取り入れられた素敵な部屋を見回す私。

「さすが大企業の社長様の自宅……」
「ね。私も慣れるまで毎日ドキドキそわそわしてた」
「それは家のせいだけじゃないでしょ。付き合って二カ月、身体も清いままの状態で同居になったんだから」
「そうなんだよ~。よく息できてたよね、私」

 紅茶のカップを両手で持つ秋華の言葉に、あははっと笑いがこぼれた。

 彼女たちはちょっと珍しいカップルで、好き同士で付き合ったのに、結婚してからもしばらくキス止まりだったという。旦那様が経験のない秋華のために我慢してくれていたらしく、なんて紳士的な人なんだろうと感心していたのだ。

 そんな幸せ真っ只中の秋華だが、以前の発言が気になっている。