すると、私が妹だと知った学校中の人が、姉と接触したいがために私のもとにやってくるようになった。
『紹介してほしい』とか『亜瑚ちゃんを連れてきて』とか、『スリーサイズを教えて』なんてふざける男子もいて、正直うんざりした。
同時に耳に入ってくるのは、『香瑚ちゃんはお姉ちゃんと全然似てないね』という声。長い黒髪に眼鏡という見た目からして地味ではあったけれど、私は元々そんなに愛想がいいほうではないので、確かに姉とはまったく違う。
両親も、明るく可愛げのある姉のほうが好きだっただろう。彼女の芸能界入りを反対することはなく、私にはいい学校へ行くようにと学力を求めた。
昔から比べられることが多かったせいでどうしても劣等感を抱いてしまい、高校時代も聞かれるのは姉のことばかりだったので自然に存在感を消すようになっていた。
皆が私を通して姉を見ている。必要とされるのは、彼女との橋渡しをするためだけ。誰も私に興味なんてない──そう諦めていた。
高校最後の夏休みに入る少し前の放課後も、毎度のごとく他クラスの男子たちが教室にやってきて、『遊びたいから亜瑚の連絡先教えてよ』と言ってきた。
それが結構しつこくて、うんざりしながら断っていた時、後ろで帰り支度をしていた新涼くんが突然口を開いたのだ。
『紹介してほしい』とか『亜瑚ちゃんを連れてきて』とか、『スリーサイズを教えて』なんてふざける男子もいて、正直うんざりした。
同時に耳に入ってくるのは、『香瑚ちゃんはお姉ちゃんと全然似てないね』という声。長い黒髪に眼鏡という見た目からして地味ではあったけれど、私は元々そんなに愛想がいいほうではないので、確かに姉とはまったく違う。
両親も、明るく可愛げのある姉のほうが好きだっただろう。彼女の芸能界入りを反対することはなく、私にはいい学校へ行くようにと学力を求めた。
昔から比べられることが多かったせいでどうしても劣等感を抱いてしまい、高校時代も聞かれるのは姉のことばかりだったので自然に存在感を消すようになっていた。
皆が私を通して姉を見ている。必要とされるのは、彼女との橋渡しをするためだけ。誰も私に興味なんてない──そう諦めていた。
高校最後の夏休みに入る少し前の放課後も、毎度のごとく他クラスの男子たちが教室にやってきて、『遊びたいから亜瑚の連絡先教えてよ』と言ってきた。
それが結構しつこくて、うんざりしながら断っていた時、後ろで帰り支度をしていた新涼くんが突然口を開いたのだ。



