またタイミングの悪い……! しかも名前で呼ばないでくれ。フレンドリーな彼女は誰に対してもこうらしいが、香瑚の前ではあらぬ誤解を招きかねないからやめてほしい。
数日前に俺たちが昔話をしていたとは知る由もない香瑚は、ずいぶん俺と親しげにする亜瑚さんを見て戸惑っている。
説明したほうがいいだろうとタイミングを窺っていた時、亜瑚さんがなにか言いたげにぱっと表情を明るくした。……なんだか嫌な予感がする。
「そうそう、この間ライトフルにお邪魔した時に、青羽くんが高校の時の話もしてくれたの。それでね、実は彼──」
「亜瑚さん!」
おいおい、今俺が香瑚を好きだってことを口走りそうになっただろ。まったくこの人は油断も隙もない……社長とは違う意味で。
想いを人伝いに聞かせたくはなくて制止していると、香瑚は先ほどとは打って変わって陰を落とした表情になっていく。そして「帰るね」と力なく微笑み、あっさりマンションへ入っていった。
……結局、またしても掴めなかった。高校時代からなにも変わっていないな、俺たちは。
でも、同じ過ちは繰り返さない。初恋はまだ終わっていないのだから。
数日前に俺たちが昔話をしていたとは知る由もない香瑚は、ずいぶん俺と親しげにする亜瑚さんを見て戸惑っている。
説明したほうがいいだろうとタイミングを窺っていた時、亜瑚さんがなにか言いたげにぱっと表情を明るくした。……なんだか嫌な予感がする。
「そうそう、この間ライトフルにお邪魔した時に、青羽くんが高校の時の話もしてくれたの。それでね、実は彼──」
「亜瑚さん!」
おいおい、今俺が香瑚を好きだってことを口走りそうになっただろ。まったくこの人は油断も隙もない……社長とは違う意味で。
想いを人伝いに聞かせたくはなくて制止していると、香瑚は先ほどとは打って変わって陰を落とした表情になっていく。そして「帰るね」と力なく微笑み、あっさりマンションへ入っていった。
……結局、またしても掴めなかった。高校時代からなにも変わっていないな、俺たちは。
でも、同じ過ちは繰り返さない。初恋はまだ終わっていないのだから。



