彼女はちゃんと了承してくれて、それから三日後には亜瑚さんが乗り気でライトフルにやってきた。一緒に仕事をするのだから会社を見ておきたいという彼女は、天然キャラのわりにはしっかりしていると失礼ながら思う。
その日、いつも通り仕事をして社内のカフェテリアで休憩していた俺のもとに、藤井さんが亜瑚さんを連れてやってきた。
フレンドリーな者同士で話が弾み、その流れで『亜瑚さんの妹さんの同級生がいるんですよ』と言ったら、彼女が俺に会いたがったからと。
それは構わないのだが、亜瑚さんは普通にしていても目立つ上に、何人も社員がいる中で「あなたが新涼くんね!? 会いたかった~!」などとのたまうものだから顔が引きつってしまった。皆の好奇の視線が痛い。
とりあえず急いで場所を変え、誰もいないミーティングスペースに連れていくと、彼女はようやく落ち着いて話をし始めた。
香瑚が高校生の頃から仲がよそよそしくなり、今では避けられているように感じるため、当時を知っている人と一度話をしたかったらしい。無論、亜瑚さんの心情はまったく知らなかったので、それを聞いて少し驚いた。



