「目覚めたか、桜姫ー···」

青年の声とともに
再びふわっと風とともに桜が舞う。

同い年ぐらいであろう
目の前の青年は
力強い···どこか少し冷たい
雰囲気で
まっすぐ美桜を見る赤い瞳に
美桜はドキっとする。


(なんなのこの人··しかも桜姫って···)

美桜はどこかこわくなり
1歩後ろに下がろうとすると

美桜の手を青年は取り

「悪い、ここで逃がすわけには行かないんだ」
「えっ··?」

その瞬間
どこからか、ふわっと桜の香りがし
美桜はそのまま意識を失ってしまう。