妖の桜姫

「礼なんて言わなくていい、あんたを護るのが俺らの仕事だからな」

「でも今日は私が勝手に飛び出しちゃったから···」
と少し今日の事を反省する美桜。

「まぁ···飛び出してく桜姫なんて初めてだろうからからな?」
と灯鬼はまた
ふと優しい表情を魅せる。

そしてふと庭の桜の木に視線を送り

「あんたがここにきて桜の木が元気になったな」
と呟く。


「綺麗な桜ー···。元気なかったの?」

「数年間、桜姫がいなかったからな。桜の木は、桜姫が生まれた木···大切な存在なんだ」

(桜の木から···?)

灯鬼からその話しを聞き、
美桜はふと疑問にもつ。

「桜姫は··木なの?」