妖の桜姫

「蛇姬···」
と鈴は涙する。
そんな鈴の背中をさする飛天。

「憑神の力はすごいな。みるみる力が沸いたー···」
と巳颯は憑神たちに呟く。

「悪趣味だな。気分悪い、いますぐ目の前から消えろ」
と灯鬼に刀を向け、呟く。

「相変わらず怖いな、灯鬼は。安心しろよ、桜姫を殺すって言ったけど···。気分が変わった。もう少し遊んでやる」
と巳颯は美桜に視線を送り

「お前の母親は死ぬまでしぶとかったな?最期までお前の名前を叫んでた」

その言葉に美桜は

「やめてっ」
と叫び··
涙が止まらず···

美桜が叫ぶと
その瞬間

どこからか 桜の花びらが
舞い散り
それは勢いよく巳颯へと向かう。

「っ···」
巳颯はギリギリで桜の突風をかわし
その場から姿を消した。


そして美桜も意識を失い
その場に倒れそうになり
「おいっ」
咄嗟に灯鬼は美桜を受け止める。

「今の··美桜ちゃんの力?」
と狐白は
いきなりの美桜の力に驚き
「まだ本人の意思じゃなそうだけどな··」
と灯鬼は美桜を見つめ呟く。