妖の桜姫

「でもっ··ただの痣でしょう?私の力が必要って言われても···っ」

美桜は強く言葉を発すると
立ち上がり

「ごめんなさい、私無理ですっ」
と部屋を飛び出した。

「美桜ちゃんそのまま外にでたらっ」
と狐白は少し声を上げるも
美桜には届かず···


(もう帰るっ)
そう思い、美桜は玄関明け家の外に出ると

目の前は見た事のない世界が
広がっており

ファンタジーの様な
どこか和の雰囲気の世界で
空にはまだ明るのに
見たこともないくらいの大きな満月が。

「何ここ···」

びっくりする美桜にどこからか
「お前が桜姫か」
と低く冷たい声が聞こえる。