妖の桜姫

すると飛天が
「鈴、姿戻したら?」
と声をかけると
鈴はポンっと目の前で姿を変え
それは猫耳の生えた小さな着物を着た猫娘のような姿になった。
大きさはやっぱり、朱羅たちと同じくらい。

「鈴!?その姿···」

鈴は小さな手で美桜の手をとり
「美桜ちゃん、私は桜姫様に使える憑神なの。美桜ちゃんが生まれた時から傍でずっと見守ってたわ。そして、美桜ちゃんが18になって桜姫の力が目覚めて、やっと···こうして美桜ちゃんとお話しできるようになったのよ」
と美桜に優しい笑顔を向ける。


話しを聞き、困った美桜は
ふと視線を伊月へと向ける。

「鈴ちゃん、嬉しいのはわかるけれど美桜ちゃんが困ってるわよ?」

「あっ、ごめんなさいっ。急に言われても困るわね」
と少しシュンと落ち込む鈴。