そこへ
「伊月〜もってきたぞ」
と九つの尻尾をもつ
狐のような朱羅たちと同じような子が
服を抱えて飛んできた。

昔絵本でみたことのある九尾の狐の様な姿だった。

「ありがとう、夜狐ちゃん」
と伊月は夜狐(やこ)と呼ばれる小狐から
服を受け取る。


夜狐は美桜をみると
「美桜、俺は妖狐族の憑神の夜狐だ。」
と小さな手で美桜の小指に握手する。

その姿に
思わず
「可愛い··」
とぽつり呟く美桜。

「可愛い!?かっこいいの間違いだろっ!?」
とプンプンと怒る夜狐。

「夜狐っ!美桜様にその口の利き方ないだろっ」
と朱羅は怒る。