sideステラ
「ステラに皇帝陛下から直々に招待状が届いた」
「…っ!」
いつものようにフランドル公爵一家と夕食を食べているとフランドル公爵が淡々とそんなこと言ってきたので私の口からサラダが吹き出そうになった。
今、何て言いました?
皇帝陛下から直々に招待状が届いたと聞こえましたが?
「あらあらー。いつの間に陛下はステラをお知りになったのかしら?まだご紹介はしていないはずだけど?」
フランドル公爵の横で呑気にそんなことを言っているのはフランドル夫人だ。
美しい所作でスープに口をつけながら不思議そうにしている。
「内容は我がフランドルに所属する多才で優秀な踊り子ステラを宮殿に招待する、というものだった」
「…踊り子?ステラがですか?」
「ああ」
公爵が伝えた招待状の内容にユリウスが怪訝な顔をする。
私は思い当たる節しかなく、心の中で頭を抱えた。
絶対にロイだ。
私のことを踊り子だと勘違いしている人なんてロイしかいない。
何故かあんなにも私を宮殿へ呼ぼうとしていたが、まさか皇帝陛下まで使って強制ご招待しようとするとは。



