「?」
ユリウスは不思議そうな顔をして私からそれを受け取ろうとしない。
まさか私がユリウスへのプレゼントを選んでいたとは思っていなかったようだ。
「…今日だけじゃないかな。ここ2ヶ月本当にありがとう。ユリウスのお陰で私は今も生きているよ」
今までなかなかユリウスに心からのお礼を言う機会がなかったので、私は笑顔でユリウスに心から感謝の気持ちを伝える。
「ユリウスは騎士だから。この守護石がユリウスを守ってくれるよ。ピアスは小さいから付けなくても袋とかに入れて持ち歩けるしできれば持っていて欲しいな」
「…ステラ」
私の言葉を聞いてユリウスの声が少しだけ揺れる。
鉄仮面だと思っていたユリウスだが、こんなことで感動する一面もあるらしい。
ユリウスは嬉しそうに小さく笑うと私からピアスを受け取った。
「ありがとう、ステラ」
西日に照らされて笑うユリウスは何よりも美しく、私は思わずその光景に息を呑んだ。
そしてそれを見ていた周りの人たちも私と同じようなリアクションをしていた。
守護石の店主なんて「ありがとうございます。神様」と何故か祈っていた。
この男の笑顔はものすごい破壊力がある。



