どれも花モチーフだが、色が違ったり、デザインや種類が違ったりする。
シンプルな紐だけが付いているものもあれば、指輪やピアスといった身につけられるものもあり、中には万年筆に埋め込まれているものもあった。本当に様々なものがある。
守護石をよく見た後、今度は隣にいるユリウスに視線を向ける。
後ろから西日に照らされて影になっているユリウスだが、その美しい黒髪の間から覗く、金色の瞳は何故か暗いはずなのに宝石のようにキラキラと輝いているように見えた。
まるでその美しい彫刻の顔に黄金が埋め込まれているようだ。
私はユリウスから視線を逸らして、再び守護石に視線を向けた。
その先で金と黒の守護石のピアスが目に入る。
私はそのピアスを手に取った。
「これにする。お金は今は持ってないから払えないけど、また払うから」
そう言ってユリウスにピアスを渡すと「その必要はない」と冷たいがどこか優しげな瞳でユリウスはそれを受け取った。
ユリウスが守護石の会計を終えて、それを私に渡す。
「ありがとう」
私はそれを受け取るとユリウスににっこりと笑った。
「はい、今日のお礼」
そしてそのままそのピアスをユリウスに差し出した。



