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そんなことを思いながらも、私はユリウスとなんだかんだいって花祭りを楽しんでいた。
いちご飴、わたがし、からあげではお腹いっぱいにはならなかったので、追加でパンケーキまで食べた。
街中の至る所でやっているショーや広場でやっている歌なども見ることができ、本当に充実した時間を過ごせた。
「あー!楽しかった!」
日も暮れてきて、いよいよ帰る雰囲気になってきた頃。
ふとそう言って見た場所に興味深い店を見つけた。
花をモチーフにした守護石のお店だ。
守護石とは魔法使いが古代の魔法と同じ手順で守護の魔法をかけているものだ。
もう失われている古代の魔法なので本当に危険な時に守護をしてくれる訳ではないが、一種の願掛けのような意味で好む人間も多かった。
「あれだな」
ついジッと見てしまった為、何の躊躇いもなく、ユリウスが私の腕を引き、守護石の店の元へ向かってしまう。
やってしまった、と一瞬だけ思ったが、これは逆にチャンスかもしれない、と私はすぐに気持ちを切り替えた。
「好きな物を選べ」
ユリウスにそう言われて店に陳列されている守護石の数々を見つめる。
「…んー」
たくさんの個性豊かな守護石の数々に迷ってしまいなかなかこれだと決められない。



