「…ス、ステラはやめよう。あまりにも直接的すぎるよ。花の名前にされるとか恥ずかしいし。ライトの改良版だからライト2とかは?」
「…ステラ様、アナタは素晴らしい方ですが、そのネーミングセンスはあまり…。いえ、個性的といいますか、誰もがあえて選べないものを選べるといいますか…」
「はっきり言って大丈夫だよ」
私が適当に言った名前を明らかに言いにくそうに否定しようとするセスを私は真顔で見つめる。
わかっているよ、セス。安直な名前を言ったことはわかっているの。そんなに言葉を選んで話さなくてもいいから。
「…ライト2はやめておきましょう。他の名前がいいかと」
「はは、そうだね」
言いにくそうにだが、まっすぐ私を見つめてそう言ったセスに私は笑った。
私とセスはこんな感じで私がリタの代役を務めていた時と同じ関係をまた築けている。
もう仄暗い瞳で私を見つめるセスはいない。
セスの精神は安定し、さらには安心したことによって、私に自由を与えてくれた。
あとはセスをこのまま味方にし、帝国外へと出るだけだ。



