「今日は午前中は騎士団の仕事をしていた。その後学院に顔を出し、必要な授業を受け、放課後に時間があったから剣術の鍛錬をした」
「へぇ。相変わらず大変そうだね」
「問題ない」
淡々と本日のスケジュール内容を口にしたユリウスに心から感心する。
普通の人だと今頃疲労でヘロヘロになっていそうなものだが、目の前にいるユリウスは涼しい顔をしている。
ユリウスの話の通り、ユリウスはとても忙しい。
まずユリウスは学院の学生でありながら、帝国屈指の騎士でもあるからだ。
ユリウスは学生としても騎士としてもとても優秀だ。
学院ではテストで良い成績さえ残せば学院での勉学等がある程度免除される。
その空いた時間を利用してユリウスは騎士としても活動しているのだ。
この免除制度を使う優秀な者はユリウスのように稀に現れ、最近だとロイとリタもその対象であった。
免除制度利用によって空いた時間をロイは皇太子としての活動に費やし、リタはその時間でそれはもう遊びまくっていた。
免除制度を使う者で空き時間を遊びに使うの者なんて後にも先にもリタくらいだろう。
普通の免除制度利用者は優秀であるが故にどこかしらから声がかかっており、忙しくしていたり、またさらなる勉学や研究に費やしたりしているものだ。
そんな忙しいユリウスだが、家族との時間は大切にするらしい。
ここ1週間だけしか知らないが、基本ユリウスは忙しい合間を縫ってでも晩だけは家族全員で食事を取れるように調整しているようだった。そしてそこに何故か私も組み込まれていた。
あんなにも無愛想で冷たい鉄仮面にもこんな人間らしい一面があったんだな。



