私から全てを聞き終えたキースのリアクションはこうだ。
「え、えぇ…。僕ってやっぱり天才だったんだぁ。さすが帝国一…いや大陸一の魔法使いだよ」
私の話を全て聞き終えたキースは波乱万丈な私の半年を労うでも心配するでもなく、自身の魔法薬の功績をうっとりとした表情で称えていた。
キースらしい反応だ。
「…それで現状について何だけど私の体に一体何が起きているの?」
キースらしさに呆れながらも、ここまで来た目的である私の体の現状についてキースに聞く。
するとキースは緩み切った顔に力を入れ、改めて真剣な表情を作り、難しそうに話し始めた。
「…まず、僕が試験的に作った〝時間を戻す〟魔法薬は君を見ればわかるけど、まぁご覧の通り失敗に終わった。だけどこれがただの失敗ではなかったんだ。
僕が作った魔法薬の本当の効能は〝体の時間を戻す〟ものだったんだよ。だから君の体も時間が戻って幼い姿になった。
…天才だ。天才だよね、僕。〝時間を戻す〟ことには失敗したけど、〝体の時間を戻す〟ことには成功したんだ。
まだ世界には時間に関与できる魔法薬は存在しない。それを僕は作ったんだよ!」
せっかく真剣な表情を作り、難しそうに話していたキースだが、喋りながらもまた興奮し始め、最後にはこちらに力強く自身の功績を訴えかけてきたので、私は思わず苦笑いを浮かべる。



