「え!」
小さくなり始めた私の体にキースの瞳は急にキラキラと輝き出した。
先ほどまで私を心配していた姿は嘘だったのかと言いたくなるほど、今のキースには心配のしの字もない。
初めて見る摩訶不思議な光景に、「な、なになになに!?どうなっているの!?」と、キラキラな笑顔で釘付けだ。
何て現金なやつなんだ。
先ほどのキースに対する評価を変えさせて欲しい。
キースに人を心配するような心などない。そんなものこの頭のイかれた天才には存在すらしていないようだ。
そして私はキースにじっくり観察されながら、また12歳の姿に戻ってしまった。
「すすす、すごいねぇ!これはどんな魔法!?まさか古代の失われた魔法!?一体どうなっているの!?」
「…」
もう12歳の姿になっているので辛くはないが、口から血を垂らす私を興奮気味に問い詰めるキースを白い目で見る。
今の私を見れば興奮するだろうとは思っていたが、吐血をした人に対してこんな態度を取れるとは。
さすがというか、何というか。



