「…ゔ、ゴホッ」
「え?」
「ゴホッ!ゴホッ!」
急に体を起こし、激しく咳き込み出した私にキースが眉をひそめる。
「ゴホッ、ゴホッ、かはっ!」
そして私はついにキースの目の前で血を吐いた。
それによって、大変申し訳ないが、ベッドの白いシーツが真っ赤に染め上げられてしまう。
「ぅ、かはっ」
「え?え?えええ?」
さすがに何度も吐血する私をキースは心配そうに見つめ、その場であわあわし始める。
それから「く、薬か?でも何の症状?え?毒?とりあえず万能薬か?」とベッドの前と扉の前をうろうろ行ったり来たりしていた。
人間嫌いなキースでも吐血した人間を心配する心は持っているようだ。
「だ、大丈夫。すぐ治る」
何とかキースを落ち着かせようと口を開いた私の体がだんだんと小さくなり始める。



