「…っ!?」
そして薄暗い中でもはっきりと見えた自身の手の変化に驚いた。
いつも見ているあの幼い手ではない。
リタの代役をやっていた時の、19歳の手だ。
そこまで気がつくと、私はベッドから勢いよく降りて、慌てて鏡の方へと向かった。
真っ暗なこの部屋で頼れる光源は窓からわずかに差し込む月明かりだけだ。
その月明かりによって、鏡にぼんやりと映し出された私の姿に、私は衝撃で言葉を失う。
何の特徴もない細身の大人の女がこちらをひどく動揺した目で見ていたからだ。
鎖骨よりも少し長い栗色の髪に緑色の瞳。
どこにでもいるような平凡な顔、これは間違いなく私だ。それも12歳ではなく、19歳の。
今、鏡に映っている私は19歳の、本来の姿の私だ。
何故、今、急に体が元に戻ったの?



