私は近い将来、この公爵邸から…いや、ユリウスから離れることになる。
いつか離れなければならないのなら、せめて今だけでも一緒にいたい。
だからこそ、私は今もユリウスと一緒に寝ることを望んでしまっている。
我ながら絆されたな、と思う。
だが、これはもう仕方のないことだ。
今日も私の側にユリウスがいてくれる。
幸せなまどろみ中、私は今日もユリウスの横で眠りについた。
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「…っ」
突然、息苦しさを感じて目を覚ます。
く、苦しい。
「…ゴホッ」
そう感じた次の瞬間、何かが込み上がり、咳き込むと、私の口内いっぱいに鉄の味のする液体が溢れた。
え。



