「…うん。一緒に寝よう、ユリウス」
私は自分の気持ちに素直になり、少しだけ気まずそうにそう言って頷いた。
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sideユリウス
同じ布団の中でステラがぐっすりと眠っている。
今日はいろいろなことがあり、疲れていたのか、ベッドに入るとステラはすぐに深い眠りについた。
「…ん~」
少しだけ眉間にしわを寄せているステラの眉間に自身の指を置き、少しでもそれが和らぐようにする。
するとステラの眉間からしわはなくなり、また気持ちよさそうにステラは寝始めた。
今日、俺を助けに剣を持って駆け寄ってきたステラが、俺を庇うように剣を構えたステラが、あのもうしばらく姿を見せない聡明なリタ嬢に見えてしまった。
今までも何度もステラにリタ嬢の幻覚を見てしまうことはあったが、今日は今までのものよりも鮮明なものだった。
あれは幻覚ではなかった。
本物だった。
ステラとリタ嬢は違うが同じなのだ。
俺の横で気持ちよさそうに寝ている少女、ステラの頬に俺は優しく触れてみる。
そこはとても柔らかく、まだこの少女が幼いのだと改めてわからされた。
今日見た勇敢な少女はまだまだ守られるべき子どもなのだ。



