「そこまでだ!」
ジャンは最初にこの地下室に到着すると、アリスの振り上げられた腕を力強く握った。
「いや!やめて!離しなさい!」
アリスはそんなジャンに激しく抵抗しているが、さすがに屈強なフランドルの騎士相手ではどうにもならず、呆気なくその場で取り押さえられる。
た、助かった…。
ジャンの到着に安堵していると、他の騎士たちも続々とこの場に到着した。
「ユリウス様!」
「今お助けします!」
「この鉄格子を壊せ!」
騎士たちが慌ただしく、ユリウスの救出を始める。
「いや、いやぁあああ!私のお城!私のユリウス様!やめて!やめて!壊さないでええええええ!!!!」
そんな騎士たちの様子を見て、アリスはジャンや他の騎士たちに取り押さえられながらも、ずっと狂ったように叫び続けていた。
こうしてユリウス行方不明事件は幕を閉じたのであった。



