家に帰ったら、見知らぬ女がいた。
俺の漫画を漁っていた。
誰だお前。
……………………………………………………………
「おはよー、ヒビキー」
「おー、おはよー」
高校一年の夏。俺はいつものように学校に登校した…
なんて、いちいち言うことではないな。
毎日毎日同じことの繰り返し。高校生らしく勉強にせいを出すわけではないし、だからと言って何かに熱中するわけでもない。
わかりやすくいえば、暇だった。ただ、それだけ。
この高校に入ったのも、とりあえずやることを探すのと、世の中に対する体裁のため。
普通に学校行って、普通に授業受けて、
普通に家に帰って、寝る前にちょっと勉強して寝る。
そんな生活を今日も送っている。
「なあ、ヒビキ」
「なんだ? ヒロシ」
休み時間になった。
ヒロシは中学校からの友人。
運動も勉強もできる……完璧人間ってやつか。
大した話題もない俺に、よく話しかけるなあと自分自身で変な感心をする。
「知ってるか? 最近変な噂があるの」
「知らない」
そう返すと、ヒロシはぐいっと頭を俺の耳に近づけてきた。
「いろんな家でポルターガイストが起こってるってウワサ」
「はあ?」
ポルターガイストって、ものがひとりでに動くとかいうアレか?
「そんなの、暇なやつが流したデマだろ。」
それが違うんだなーとヒロシはニヤリと笑う。
「昨日、友達の家でゲームしてたんだけど、その時起きたんだよ。」
「起きたって…… ポルターガイストが?」
「そう!」
ヒロシの話によると、部屋に戻った途端、本棚から突然漫画が飛び出したらしい。
まるで透明人間が漫画を読んでいるようで、非常に気味が悪かったとヒロシは語った。
「なあ、怖くなってきただろ怖くなってきただろー!」
ヒロシが大げさに手を振り上げて、俺を襲うふりをする。
「なってねえよ」
俺は思わず苦笑いでそれを避けた。
「よし! じゃあ怖がりのヒビキにはこれをやろう!」
ヒロシがポケットから取り出し投げてよこしたものを思わず受け取る。
緑色の、勾玉?だった。
「なんだよこれ」
「朝道に落ちてて拾ったやつだ!」
なぜか意気揚々としているヒロシ。
「なにに使うんだ」
「多分魔除けだ!」
どちらかというとこの禍々しい色は呪いをかける方だと思うけどな……
教室の中に捨てるわけにもいかないので、とりあえず筆箱に入れた。
キーンコーンカーンコーン
もう下校のチャイムがなった。
日常大量生産を繰り返す俺の1日は早い。
俺の漫画を漁っていた。
誰だお前。
……………………………………………………………
「おはよー、ヒビキー」
「おー、おはよー」
高校一年の夏。俺はいつものように学校に登校した…
なんて、いちいち言うことではないな。
毎日毎日同じことの繰り返し。高校生らしく勉強にせいを出すわけではないし、だからと言って何かに熱中するわけでもない。
わかりやすくいえば、暇だった。ただ、それだけ。
この高校に入ったのも、とりあえずやることを探すのと、世の中に対する体裁のため。
普通に学校行って、普通に授業受けて、
普通に家に帰って、寝る前にちょっと勉強して寝る。
そんな生活を今日も送っている。
「なあ、ヒビキ」
「なんだ? ヒロシ」
休み時間になった。
ヒロシは中学校からの友人。
運動も勉強もできる……完璧人間ってやつか。
大した話題もない俺に、よく話しかけるなあと自分自身で変な感心をする。
「知ってるか? 最近変な噂があるの」
「知らない」
そう返すと、ヒロシはぐいっと頭を俺の耳に近づけてきた。
「いろんな家でポルターガイストが起こってるってウワサ」
「はあ?」
ポルターガイストって、ものがひとりでに動くとかいうアレか?
「そんなの、暇なやつが流したデマだろ。」
それが違うんだなーとヒロシはニヤリと笑う。
「昨日、友達の家でゲームしてたんだけど、その時起きたんだよ。」
「起きたって…… ポルターガイストが?」
「そう!」
ヒロシの話によると、部屋に戻った途端、本棚から突然漫画が飛び出したらしい。
まるで透明人間が漫画を読んでいるようで、非常に気味が悪かったとヒロシは語った。
「なあ、怖くなってきただろ怖くなってきただろー!」
ヒロシが大げさに手を振り上げて、俺を襲うふりをする。
「なってねえよ」
俺は思わず苦笑いでそれを避けた。
「よし! じゃあ怖がりのヒビキにはこれをやろう!」
ヒロシがポケットから取り出し投げてよこしたものを思わず受け取る。
緑色の、勾玉?だった。
「なんだよこれ」
「朝道に落ちてて拾ったやつだ!」
なぜか意気揚々としているヒロシ。
「なにに使うんだ」
「多分魔除けだ!」
どちらかというとこの禍々しい色は呪いをかける方だと思うけどな……
教室の中に捨てるわけにもいかないので、とりあえず筆箱に入れた。
キーンコーンカーンコーン
もう下校のチャイムがなった。
日常大量生産を繰り返す俺の1日は早い。
