「あんまり彩りが鮮やか過ぎると料理が映えないんじゃないかと思ってたんですけど、これなら安心ですね。」


新郎も安心したように頷いたのを見て


「次にメインテーブルの装花はどのような雰囲気にいたしましょうか?」


彩は話を先に進めて行く。


「あまり豪華過ぎないように・・・。」


新婦の言葉に


「承知いたしました。こちらにいくつかサンプルがございます」


彩はパッドで画像をふたりに見せる。


「こちらのナチュラルスタイルはいかかでしょうか?グリーンを多めで、中央に小さなお花をポイントに置くとよろしいかと。」


「素敵ですね。」


新婦が満足げに頷く。


「次に装飾についてですが、テーマカラーは白と緑でお間違いないですか?」


「はい。でも出来れば、お花だけではなくて・・・。」


「はい。」


新婦はスマホを取り出すと、画面を彩の方に向ける。そこには、小さなガラス瓶に入った砂と貝殻の写真が写っていた。


「海の思い出を表現したくて……ゲストテーブルの中央にこのミニボトルを置けませんか?」


「もちろん可能です。それでしたら、更にキャンドルと組み合わせるのはいかがでしょう?例えばキャンドルホルダーの周りに砂浜のような演出を施すとか。」


「それが出来るなら、最高じゃん。」


思わず声を上げた新郎と新婦が、嬉しそうに笑顔を交わす。こうして、打ち合わせは和やかに進んで行き、時間は瞬く間に過ぎて行った。


「それでは、こちらが本日の打合せ内容となります。ご確認いただき、よろしければ、こちらにサインをお願いします。」


彩は要点を箇条書きにまとめて、ふたりに提示する。それを真剣に見つめていたふたりが、頷き合い


「これで結構です。」


新郎が答え、所定の欄にサインをして、それを彩に戻した。


「ありがとうございます。それでは、次回のお打合せ日はいかがいたしましょうか?」


「来週は二人とも用事があるので、再来週の午後にお願いできませんか?」


新郎の言葉に、スケジュ-ルを確認した彩は


「それでは14時からでよろしいでしょうか?」


「はい、結構です。」


「かしこまりました。では、その時はドレス小物や引き出物についてお打ち合わせいたしましょう。」


「よろしくお願いします。」


こうして、全てが終了し、3人は席を立った。