白雪姫の王子様

「昨日は、ごめん」

まっすぐ頭を下げる、莉子さん。

「ほんとに最低なこと言った」

「……」

突然のことで、戸惑ってしまい、
なんと声をかければいいっかわからない。

でも、莉子さんの言葉に、迷いはなかった。

「許してもらえるなんて思ってないけど――」

「許すよ」

気づいたら、口に出ていた。

莉子さんが顔を上げる。

「……確かに、昨日は傷ついた」

正直に言う。

「でもね」

少しだけ、息を吸う。

「今日、莉子さんが言ってくれたこと」

「……」

「すごく嬉しかったの」

私から返ってきた言葉が予想外すぎたのか、
莉子さんは、目を大きく見開いた。

「今まで、ずっと、死ぬことが当たり前だと思ってた」

そう、自分で、期限を決めてた。

言葉が、少しだけ震える。

「でも……今日、気づいたの」

胸の奥から、こぼれる。

「私……もっと、生きたい」

静かに、言葉が落ちる。

蓮くんにも言えなかった言葉。

たぶん、自分でも気づいてなかった、本音。

「……」