白雪姫の王子様

「うん……最近は体調も安定してる」

兄貴の言葉に、
その場にいる全員の視線が集まる。

そして、兄貴は少し笑って言った。

「外出許可、出そう」

一瞬、静かになる。

次の瞬間――

「やったー!」

莉子と翔の声が重なった。

病室が一気に明るくなる。

俺も、嬉しかった。

やっと、雪が望んでいたことを叶えられる。

「よかったな、雪」

そう言って、隣の雪を見る。

でも――

違和感があった。

雪が、少しだけ不安そうな顔をしていたから。

「雪?」

声をかける。

すると雪は、ハッとしたように顔を上げた。

そして、いつもの笑顔を作る。

「楽しみだね!蓮くん!」

明るい声。

……気のせいか?

でも、さっきの表情が、なぜか胸に引っかかった。

そんな俺をよそに、

「じゃーん!」

突然、莉子が二つの箱を取り出した。

「なんだそれ」

翔は興味津々だ。

「これは、雪と蓮に!」

箱を押しつけられる。


……嫌な予感しかしない。