白雪姫の王子様

病院の外へ出ると、まだ莉子と翔が待っていた。

「お、今日も王子様してきたんすか?」

翔がニヤニヤしながら言う。

「はぁ……」

もうツッコむ気力もない。

このノリ、いつまで続くんだよ。

その時、冷たい風が頬を撫でた。

「さむっ」

翔が肩を縮める。

「もう冬だな」

空を見上げる。

日が落ちるのも、随分早くなっていた。

「あ」

莉子が何かを思いついたように声を上げる。

「雪がお出かけする時、寒くないようにしないとだね!」

「そうだな」

「よし!」

莉子が拳をあげる。

「私が全部用意する!」

やる気満々だ。

まぁ、こういうのは莉子に任せた方が早い。

「じゃ、帰るか」

俺たちは、いつもと変わらず、並んで家路についた。

でも――

こんな“当たり前”みたいな時間が、
何より幸せなんだと、俺は少しずつ知っていった。