村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

葵は陽神の背中に自分の両手を回して同じくらいの力で抱きしめ返した。

互いの心音が皮膚を介して伝わり合う。
そのドクンドクンというリズムが完全に一致していることに気がついた。

「もちろんです。私は神様……いいえ、陽神さまの子供がほしいです」
神様だからじゃない。

陽神だからほしいと感じた。
きっとうまくいく。

葵はそう信じて目を閉じたのだった。

☆☆☆

それからの生活の中でも陽神の態度が変わることはなかった。

葵が掃除をしていればくっついて周り、なにか手伝えないかと自分でも慣れない家事をしようとする。

それを見ていた夏と春のふたりが囃し立ててきて、クロは嫉妬しているのか常に陽神に威嚇をしていた。

そんな構図が珍しくないものになりつつあった日のことだった。

朝起きると陽神がすでに着替えを済ませて自分の寝床も片付けていたので葵は驚いて飛び起きた。

「陽神さま。今日はどうかされたんですか?」