村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

そんなことは産まれてことかた言われたことがない。

メガネをかけても見えづらい視力のせいで自然と目つきが悪くなり、そのせいでみんなから敬遠されるようなことばかりだった。

ごくたまに若い女が好きなお客さんから声をかけられることはあったけれど、それは葵の若さだけが目的だった。

「早く陽神に見てもらわなきゃ!」
春が慌てた様子で支度部屋を出ていく。

白無垢はちょっと羽織っただけのときとはまた違う輝きを放っていて、眩しいくらいだ。

それでも鏡の中自分はこの着物に負けていない。
それが信じられなかった。

「準備ができたかい?」
その声に振り向くと、春が陽神と夏を連れて戻ってきていた。

開けられた襖の向こうから陽神がポカンと口を開けてこちらを見ている。
やっぱり似合っていないのかな。

そんな不安が一瞬だけよぎるけれど、すぐに陽神の紋付袴姿に目を奪われた。