村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

やはり陽神はなにもかもを知っているのだ。
自分が村八分にされていたことも、虐げられていたことも。

その上で嫁にもらってくれると言っている。
「陽神さまは、私なんかでいいんですか? 本当に悔いはないんですか?」

訊ねる声が震えた。
あまりにも自分に自身が無くて、自分が神様の花嫁としてふさわしくないと感じて、今更ながら怖くなった。

そのときだった。
陽神の両手が伸びてきたかと思うと葵はその両腕の中にすっぽりと包み込まれていた。

「私なんかと言うんじゃない。ワタシは葵がいいんだ。だから助けた」
「陽神さま……」

「幼いのに何度も石段につまづきながらワタシに会いに来てくれた。それを忘れたりはしない」

優しい声に涙が溢れた。
泣かないようにを思っていたのに、背中を撫でる手が涙のダムを決壊させてしまった。

「大丈夫。葵はワタシにふさわしい。もっと自信を持っていい」