陽神も葵の反応を楽しむように言う。
葵は敬語で返事することも忘れてただコクコクと頷いた。
そっと部屋に入ってみると足裏にはちゃんと畳の感触が伝わってくる。
隅々まで普通の部屋だ。
そして部屋の隅の方にさっきまでなかった着物が置かれていることに気がついた。
着物立てに着せられたそれは、陽神が着ている着物と同じくらい輝いていて純白をしている。
まさかと思って近づいてみると、やっぱりそれが白無垢であることがわかった。
花嫁だけが着ることを許される、特別な着物だ。
しかもパッと見ただけでわかるほどの高級品だ。
村の中では目にかかることもない。
「袖を通してみるかい?」
「こ、こんな立派なもの、私が着るわけにはいきません」
「それは困るな。葵のために用意したものなのだから、葵に着てもらわないと」
「でも……」
1度だけ袖を通してみたい。
だけどそれもためらわれるほどの美しさにメマイがしてきた。
葵は敬語で返事することも忘れてただコクコクと頷いた。
そっと部屋に入ってみると足裏にはちゃんと畳の感触が伝わってくる。
隅々まで普通の部屋だ。
そして部屋の隅の方にさっきまでなかった着物が置かれていることに気がついた。
着物立てに着せられたそれは、陽神が着ている着物と同じくらい輝いていて純白をしている。
まさかと思って近づいてみると、やっぱりそれが白無垢であることがわかった。
花嫁だけが着ることを許される、特別な着物だ。
しかもパッと見ただけでわかるほどの高級品だ。
村の中では目にかかることもない。
「袖を通してみるかい?」
「こ、こんな立派なもの、私が着るわけにはいきません」
「それは困るな。葵のために用意したものなのだから、葵に着てもらわないと」
「でも……」
1度だけ袖を通してみたい。
だけどそれもためらわれるほどの美しさにメマイがしてきた。



