村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「そんな。それじゃあの子は産まれてきてから今までずっと、私達の顔をボンヤリとしか見ていなかったんですか?」

「そういうことになります。でも、ネガネをかければ多少改善されますし、近くで見ればちゃんと顔を見ることができますよ」

医師からの必死の慰めも、あまり耳に入ってこなかった。

☆☆☆

視力が弱いと診断された葵だったが、好奇心の強さは変わらなかった。

メガネをかけるようになっていつもよりクッキリものが見えるようになってからは、尚更外を駆け回るようになった。

「やぁいメガネ女!」

寺子屋で一緒の男の子たちがそんな意地悪を言えば、追いかけ回すほどの活発っぷりだった。

「こんにちは」

葵が店の手伝いをしているときに頻繁にやってきてくれたのは寺子屋で友達になった舞だった。

舞はこの村でも裕福な家庭の長女で、いつも綺羅びやかな着物を着て優雅に食事を楽しんでいる。