村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

緊張で声が震えて指先も小刻みに揺れる。
そんな葵を見て陽神は楽しそうに笑う。

「緊張しなくてもいいといった矢先にすごく緊張しているみたいだね」
「す、すみません」

下げたままの顔をなかなか上げることができない。

自分が神様の、それもこんな素敵な人の花嫁になるだなんて。
と、そのときだった。

トタトタと小さな足音がふたつ廊下に聞こえてきたかと思うと、障子が勢いよく開かれた。

そこに立っていたのは身長100センチほどの小さな男の子と女の子で、ふたりともとても良く似た顔つきをしている。

そしてその顔は陽神にもそっくりだった。
男の子は手に持ったお盆を落としそうになって「おっとっと」と、どうにか体勢を保つ。

「夏ってば、しっかりしてよね」
後ろの女児が呆れた声で注意すると、夏と呼ばれた男児がムスッと頬を膨らませた。

その頬がぷくぷくとしてとてもかわいらしく、触れてみたいと思ってしまう。