つい声が大きくなり、女将さんがしーと人差し指を立てた。
こうして葵としゃべっているところを見られるのもまずいのだろう。
「大丈夫だよ葵ちゃん。こんな噂はすぐに終わるからね。そうすればまた売ってあげることができるからね」
早口に言って女将さんが小さな巾着を葵に手に握らせた。
そして戸を締めようとする。
「待ってください女将さん。ここで買ったことは誰にもいいません。だからもち米を飼わせてください」
葵が最後まで言う暇もなく、戸は閉められてしまった。
「そんな……どうして……」
もち米屋の女将さんだけはいつでも自分の味方をしてくれると思っていた葵はずるずるとその場に座り込んでしまった。
立ち上がって、家に帰る気力すらない。
この村をでなければ自分の食べるものだって手に入らなくなってしまう。
あれだけの店がありながら、自分もクロも餓死してしまう。
こうして葵としゃべっているところを見られるのもまずいのだろう。
「大丈夫だよ葵ちゃん。こんな噂はすぐに終わるからね。そうすればまた売ってあげることができるからね」
早口に言って女将さんが小さな巾着を葵に手に握らせた。
そして戸を締めようとする。
「待ってください女将さん。ここで買ったことは誰にもいいません。だからもち米を飼わせてください」
葵が最後まで言う暇もなく、戸は閉められてしまった。
「そんな……どうして……」
もち米屋の女将さんだけはいつでも自分の味方をしてくれると思っていた葵はずるずるとその場に座り込んでしまった。
立ち上がって、家に帰る気力すらない。
この村をでなければ自分の食べるものだって手に入らなくなってしまう。
あれだけの店がありながら、自分もクロも餓死してしまう。



