村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

これから先いつまでこんな状況が続くのかわからないけれど、ずっと山菜が手に入らないのでは商売にもならない。

旅人だって、提供してくれる品があまりに少ないとガッカリするはずだ。

「とにかく、今日はこれだけ持って帰りな。これから大変になるだろうから、お金はいらないからね」
「……ありがとう女将さん」

普通ならお金を置いて帰るけれど、今日は気を回すこともできず葵は5キロのもち米を持って店を出たのだった。

☆☆☆

翌日の営業はさんざんだった。
もともと客数が少ない店なのに、旅人のひとりすら来なかった。

昼時になっても誰も来ないため表に出て呼び込みをしてみたのだけれど、葵のことを知らないはずの旅人たちがみんな目をそらして足早に歩き去っていく。

もしかしたら、自分の噂はいくつもの村を越えてしまっているんじゃないか?
そんな恐怖心が沸き起こってくる。

「汚い商売の呼び込みなんてするんじゃないよ!」