村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

ようやくクロの体から顔を上げた葵の目は赤く充血していたのだった。

☆☆☆

「そんな、売れないってどういうことですか?」
それは店終いをして翌日の買い出しへでかけたときのことだった。

近所の山菜売りの店へやってきたのだけれど、購入前にそこの旦那から「お前には売れないよ」と、辛辣な言葉を投げかけられてしまったのだ。

だけどこの店は懇意にしていて、父親の時代からずっと山菜を購入していた。

値段も安く物も新鮮だからだ。
葵は自分1人で切り盛りするようになってもその関係を続けてきた。

こんな風に門前払いされる言われはない。
「自分が一番よくわかってるだろ」

旦那は葵と視線を合わそうともせずに突っぱねる。
「もしかして、噂のせいですか? それなら全部ウソです! 私はなにもしていません!」