村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

それはもっぱら若い女性たちの間で囁かれるもので、「旅人たちを店に呼び込んで、体を売っている」というものだった。

もちろん葵は料理以外のものは提供などしない。
けれど、同い年くらいの娘がひとりで店を切り盛りしているのを見ると、羨望にまざって嫉妬もつきまとう。

自分にはない才能を持っていると思い、攻撃の的にしてしまうのだ。

「ほらあの子。さっきも旅人を店に引き込んでたのよ」
「店の中で一体なにをしているのかしら」

そんなに気になるなら1度店を覗いてみればいいと思うのだけれど、余計なことに首を突っ込むようなことはしない。

そんなことをしている暇は葵にはなかった。
今日は店を閉めた後、明日の仕込みのためにもち米を買いに行かないといけないのだ。

もち米屋は両親がいたころからずっと同じ場所で購入している。

丘の上にあるもち米屋だから、一気に沢山仕入れることはできなくて週に何度も足を運んでいるのだ。