村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「もっと、沢山話をすればよかったのに」
ふたりの葬儀が執り行われている最中、葵は初めてもらったお金をずっと握りしめていた。

「陽神さま、両親との時間を伸ばしてくださってありがとうございました」

両親の葬儀を終えて一週間が過ぎた頃、葵はまた神社へと来ていた。
手には今朝作りたての餅がある。

それを備えてから丁寧に手を合わせた。

「私あれから考えたんです。両親は1度病で死ぬ運命だったんじゃないかって。

それを陽神さまが助けてくださったんだって。両親と過ごす時間を少しでも多くいただいて、本当に感謝しています。おかげで私はあの店の店主としてやっていくことができそうです」

葵は両親と過ごした最後の3年間を神様がくれたものだと思い、礼を言いに来ていたのだ。

この3年間で葵は成長し、自分の料理でお金をもらうまでになっていた。

15歳の頃両親が病で亡くなっていたら、決してできなかったことだ。