村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「あぁ。着ていたものや持っていたものから、そうだとわかったんだよ。でも、もう息はなかったんだ」

「嫌。そんなの信じない。ちゃんと私にも確認させて!」

今にも死体が安置されている場所へ向かおうとする葵を、女性は抱きしめるようにして止めた。

「わかってる。だけどもう夜遅いし、葵ちゃんの目が確認できないだろう? だから、朝になるのを待つほうがいい」

「でも、でも……!」
両親が土砂崩れに巻き込まれたというのに、家でのんびりしている場合ではない。

そわそわと家の中を歩き回ったかと思うと、思い出したようにその場に崩れ落ちてしまった。

「葵ちゃん!」
駆け寄った女性に抱きかかえられた葵の懐から、あの旅人からもらったお金が転げ落ちたのだった。

☆☆☆

私はお父さんと最後までちゃんと話をできていなかったのに。

自分と父親の意見が食い違っていたことを、葵はずっと後悔していた。