村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

葵はしばらくその姿を見つめて、やがて横に立って手伝いを始めたのだった。

☆☆☆

父親が言っていることはわかる。
だけど自分の考えが間違えているとも思えない。

そんな悶々とした気持ちが一週間ほど続いたときだった。

最近の日照り続きが原因で村の中で野菜が取れなくなっていた。

「ごめんなぁ。野菜は全部枯れちまって、自分とこで食べるだけしかないんだ」

買い出しに向かってもそう言って追い返されてしまうのだ。
「仕方ない。隣街まで買い出しに行くか」

できれば村で取れたものだけを店に出したいが、作物がないのではどうしようもない。
父親は重い腰を上げて母親と一緒に買い出しへと向かった。

この日は店を休みにする予定だったが、葵が店先で掃き掃除をしているときに、1人の旅人がやってきた。

「こんにちは、店はやっていますか?」
その人は葵と同い年くらいのよく日焼けをした青年だった。