村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「そっとしておきなさい」
そういう姑の顔には笑みが浮かべて、舞のお膳の上に貴重な乳製品を置いた。

それを見た息子はまだ意味を理解しておらず、目をパチクリさせている。

☆☆☆

「今日もいい天気だな」
庭先を陽神と葵が歩いている。

葵の腹部はペッタンコだ。
「本当に」

日差しが心地よく肌に降り注いできて、眠気を誘う。
陽神の両肩の上では神の姿の春と夏がちょこんと座っていた。

そのとき、なにか虫でも見つけたのかふたりの間をクロが通り抜けて行き、地面をジッと観察した。

「クロ。虫を捕まえるのはいいけれど枕元に置いておくのはやめてよね?」

最近クロはいろいろな虫を捕まえてきて陽神や葵の枕元へ置いておくことが流行っているようで、昨日はカブトムシの幼虫をお供えされていた。

「クロもお供えものをしたいのかもしれないね。ただ、ワタシたちには食べられないものばかりだけれど」