村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

それからも何人もの村人から沢山の品をもらった葵は、次に順番を待っているのが舞だと気がついた。

舞は紅色の風呂敷を胸に抱えるようにしてジッと葵を見つめている。
「舞……」

誰もが喜ばしくて微笑んでいる中、舞は唇を引き結んだまま葵に近づいてきた。

そして風呂敷を畳に置くと、それを広げてみせた。
「これは……」
沢山の白いてぬぐい。

それを手に取ると、下からは竹とんぼが出てきた。
あ……。

それを見た瞬間葵の記憶が蘇る。
寺子屋が終わって帰るとき、葵と舞はよく竹とんぼを飛ばしていた。

それは村で手が器用な若者が作って配ってくれたもので、寺子屋へ通う子供たちはみんな持っていたのだ。

「覚えてる?」
舞がようやく口を開いたけれど、その声はひどく震えていた。

緊張しているのか、まだ葵の顔をまっすぐに見ることもできていない。
「うん。覚えてる。みんなひとつずつもらったよね」