村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「それじゃこうしましょう。私が子供の産むまではこれを使わせてもらう。そして無事に子供が産まれてきてくれたら、それはこの簪をおかげだったと思ってあなたに返しに行く。それでどう?」

そう言うと女の子は嬉しそうに笑って「はい!」と、何度も頷いた。
「葵ちゃん。これ、つまらないものだけど」

女将さんが手渡してくれたのはあんこの入ったお餅だった。
もちろん、自家製だ。

「うわぁ! 女将さんのあんこ餅! 私これ大好きなんです!」
葵は嬉しくて思わず女将さんに抱きついた。

女将さんのふくよかな両手が葵の背中に回る。
抱きしめられているとフワフワの雲に包まれているような心地になる。

「元気な子供を産むんだよ? そうしたら、また作ってあげるからね」

「ありがとうございます! 女将さんの作ってくれたあんこ餅を食べればきっと元気な子が産まれると思うの!」