村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

みんな雨から逃げるために丘の上に非難していたみたいだ。

もち米屋が見えた頃には沢山の村人たちが表に出てきていて、これからのことを相談しているようだった。

そこに現れた3人を見てみんなが目を見開き、言葉を止めた。
「よ、陽神さま!」

村人の一人が声を上げてその場に膝をつき、頭を下げた。
それに続くようにして次々と頭を低くする村人たち。

その光景に葵と女将さんは目を見かわせて、陽神の偉大さをもう1度再確認した。
「か、神様お願いです! 村を助けてください!」

「3日間振り続けた雨のせいで、この有様です!」
「私の家は水が入り込んで、食べ物がダメになってしまいました」

次々と上がる村人たちからの悲痛な訴え。
それを聞いて陽神は一歩前へ出た。

「食べ物なら心配しなくてもいい。この通り、もち米屋は無事なのだからな」

陽神がもち米屋へと視線を向ける。