村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「待って陽神さま。私も村の様子を確認しに行きたいです」

「葵は村のことがまだ気がかりなんだね?」
「はい……。生まれ育った村なので、どうしても」

なんとなく申し訳ない気持ちになってうつむく葵。
陽神は女将さんと葵を交互に見つめると「ふたりは似た者同士だから、年齢が離れていても親友みたいなんだね」

と、笑った。
そんな風に言われたのは初めてで、なんとなくくすぐったい。

女将さんも照れ笑いを浮かべている。

「石段を下りてから少し歩くけれど大丈夫そうかい?」
「はい!」
葵は大きく頷いたのだった。

それから3人で村へ下りていくと、水路が近い田畑が主に水に浸かっていることがわかった。

葵がいつも歩いていた道も、あちこちが水に浸かって通れなくなっている。

それでも陽神が言っていたとおり丘へ向かう道は無事で、もち米屋が近づくにつれて人の気配を感じ始めた。