村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「村人に少しお灸をすえるためだ」
「お灸、ですか?」
女将さんが戸惑った表情を浮かべる。

「あぁ。この雨は三日三晩振り続けて、低い土地は家屋を沈ませてしまうほどの威力を持っている。そうなったときに、自分たちが誰かをのけものにすると、自分たちが困るということを知ることになるはずだ」

「家が水没してしまうんですか!?」
声を荒げたのは葵だった。

いくら村人たちがひどい行いをしたとしても、そこまでの仕打ちは可愛そうではないかと思ったのだ。

だけど陽神は穏やかな表情を崩さない。
「もち米屋の家屋が水に浸かることはないから安心していい。あそこは丘の上にある。だから水害を選択したんだ」

「だからってあんまりじゃないですか? 村が水に沈めば、作物がダメになってしまいますよね!?」

寝床は雨が止んだ後掃除することができるし、丘の上には不便で使われなくなった家もある。