村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

この辺は相変わらず晴れているけれど、村で降っている雨の音がここまで聞こえてくる。

相当な大雨となっているのは間違いなさそうだ。
「あぁ。この雨はしばらく降り続くはずだよ」

さっきよりも雰囲気が柔らかくなっている陽神が答える。

葵は首をかしげて「神様は天候を先読みすることができるんですか?」と、聞いた。

すると陽神は左右に首を振り「いや、今回の雨はワタシが降らせているものだからだよ」と、言った。
「陽神さまが!?」

葵は驚いてつい声が大きくなってしまう。
日照り続きだと神頼みをする村人も少なくはない。

けれど2日前に雨が降ったばかりで、今はそれほど水に飢えてはいないはずだ。
「どうして雨を?」

そう聞いたのは女将さんだった。
女将さんは廊下の窓から雨の降り方を見て不安そうに眉を寄せている。

さっきは通り雨だと思っていたけれど、黒い雲はどこまでも続いているように見える。