村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「葵、ゆっくりしていないとダメだろう」
「す、すみません。でも、どうして女将さんがここへ?」

女将さんは額に汗の粒を浮かべているが、お祈りに来たときほどの疲れた様子は見られなかった。
「葵ちゃん、体は大丈夫なの?」

女将は葵の姿を見つけると、陽神から離れて駆け寄ってきた。

「えぇ、大丈夫です。女将さんは、どうしてここへ?」
「神様がうちに来られて、連れてこられたのよ」

陽神を振り向きながら説明する女将さんに今度は葵が驚く番だった。

朝から姿が見えないと思っていたら、女将さんのところへ行っていたようだ。

「でもすごいわね。今日はあの石段を上がる必要がなかったから、助かったわよ」

女将さんが葵にこそっと耳打ちしてきた。
「そう。でも、陽神さまはどうして女将さんをここへ?」

「わからないわ。だけどなんだかすごく不機嫌そうで、怖いのよ」

こそこそと耳打ちしてチラリと陽神へと視線を移すふたり。