村八分にされた不遇の娘は神様の子供を授かり溺愛される

「そもそも葵は悪くないのではないか? 心無い人達の勝手な噂が原因なんだろう?」
「それは……はい」

陽神の腕の中ですっかり落ち着きを取り戻した葵は頷くほかなかった。
自分は被害者であり、なにもしていない。

それなのに虐げられてきただけだった。
「問題は村人にあるようだな。改心させる必要がある」

陽神はそう言うと布団から起き出して寝室を出ていったのだった。

☆☆☆

もうすぐ昼がくるという時刻、陽神は朝話をした時以降屋敷の中で見ていない。

陽神だけではなく、今日は春と夏の姿も屋敷にないようだった。

「みんなどこへ行ったのかしらね」
ひとりぼっちの葵は縁側に座ってクロを膝に乗せて呟いた。

朝食の準備は春と夏がしてくれていたのでそれを食べて、後はやることがなにもなくなってしまった。

気晴らしに部屋の掃除や廊下の掃除をしたものの、あまり動くと陽神に怒られそうなのでほどほどにしかできない。